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Message10理事長 坂本 久美子校長 大久保 靖麴町学園は2025年9月12日に創立120年をむかえます。創立者大築佛郎は1905年に「科学の目を開くことをはじめ、広い知識や教養を身につける新時代の良妻賢母を育成する」「男子とならびそう、これからの広い女子教育を向上する女学校を設けたい」という思いから麴町女学校を創立しました。当時の一般的だった裁縫教育とは異なる、科学という新しい特長を持った学校を目指しました。これから訪れる社会を想定して、その社会に必要な力を身につけさせたいという強い思いは現在にも引き継がれています。「新時代の良妻賢母」や「男子とならびそう」という言葉は、現代の社会においては、学校が掲げる目標としてふさわしくないかもしれません。当然、現在の女性には人生において様々な選択肢がありますし、男子と女子は競い合うものでは無く、協働して新たなものを生み出していく時代です。現在教育ビジョンとして掲げる「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性の育成」は、まさに現在のVUCA社会と呼ばれる想定外のことが起きる舞台で活躍できる人材を育てることを目指しています。創立者をはじめ、先人が築いてきた意思をつないでいくことで、これからも社会に貢献していきたいと、我々は強く思っています。多様な教育プログラムで知的基盤を作り、実体験を積み重ねて、自らの人生を生き抜く力を育てます教育目標に「聡明・端正」を掲げる本校は、今年、創立120周年を迎えます。脈々と受け継がれる精神はそのままに、生徒たちが踏み出す次代を見つめながら一つひとつの教育実践を精査・統合し、アップデートし続けていこうという思いを強くしています。生徒たちが大学に進み社会に出ていく時には、持てる能力を理系・文系という型にはめるのではなく、新たな分野融合を目指さなくてはなりません。だからこそ、食わず嫌いをせずにさまざまな体験を重ね、広く目を開いていくことが重要になります。本校の3年間では、「Active English」や「探究」「グローバルプログラム」などを通じて総合的な知的基盤を作るとともに、多様な体験の機会を可能な限り設けていきます。建学の精神にある「聡明」とは理性、「端正」とは人としての品格ともいうべきものです。どちらも生涯をかけて培っていくものですが、この二つを持ち合わせることができれば、独善に陥らず、公平な眼差しで物事を見ることができるようになるはずです。生徒たちには、失敗し道に迷いながらも、聡明で端正な人になってほしいと願っています。本校は挑戦を続けます。生徒が一生涯、自分を高め、未来を切り開いていくために。創立から120年、教育目標の「聡明・端正」は、創立者の大築佛郎が語った「科学の目を開くことをはじめ、広い知識や教養を身につけた女性を育てる」という思いを凝縮した言葉ですが、女子校として創立したその思いを継承していくことが私たちの使命です。本校は「みらい科(探究)」「Active English」を推進してきていますが、これらをアップデートし続けることが大切だと思っております。高校時代は「生きていく力」の土台を作る時間ですが、必要な力は時代ごとに変わっていきます。生徒たちには自分自身で必要な力を見極め、柔軟に対応できる人になってほしいと思います。そのためには、想像力を持ち、たくさんの経験を積んで、試行錯誤することが必要です。生徒たちには「聡明・端正」を心に留め、この学校で経験したことや培った価値観に自信を持って、失敗や変化することを恐れずに自分らしいペースで歩んでほしいと願っています。120年受け継がれる「聡明・端正」を継承し、新時代への「挑戦」の糧に

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