啓明学園
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学園を創立された三井高維先生は、1940年、東京赤坂台町の私邸を開放し、国際社会で活躍できる人材の育成を目指し、「帰国子女を受け入れる学校」として啓明学園をスタートさせました。軍靴の音の響く時代、帰国生を受け入れ、キリストの教えに基づく人格教育と外国語教育に力をそそいだ啓明学園は、陸軍からの廃止命令を受けましたが、三井先生は圧力に屈せず学園を守りました。明けの明星(a leading star)、そして希望(hope)という意味を持つ「啓明」には、三井先生の未来への思いが込められています。啓明学園は国際教育・帰国生教育のパイオニアであり、現在もその伝統は継承されています。帰国生や外国籍の児童・生徒が35%を超えており、中学生・高校生の多感な時期に多様なバックグラウンドの生徒と触れ合うことにより、様々な文化を体感し、多様性をお互いに認め学び合う姿勢が身につきます。また、留学や国際交流のプログラムを通じて、英語を言葉としてだけでなく、文化的な背景もふくめて学習するようにしています。学習に関しては、しっかりした基礎学力をベースに、「主体的な学び」を重視しています。単に与えられた質問に回答できるだけでなく、自らが問題を発見し、解決する力を身につけること、「生きる力」を涵養することを重視しています。先の見えない不確実な時代にあっても、多様な人間と協力し、希望をもって時代をリードする明けの明星のような人間を育てる学び舎であり続けたい、と思っています。啓明学園で学び育った高校3年生の多くが、「世界中の人と人とをつなぐ仕事をしたい」、「戦争や貧困や差別をなくしたい」という志を抱いて巣立っていきます。これこそが真の国際化と多文化受容の精神が息づく本校にしかできない教育の成果です。こうした、“世界を心に入れた人”はどのように育っているのでしょうか。当然ですが、一つの授業、一回の講演会でできるわけではありません。啓明学園在学中のすべての授業や行事が、教育理念の実現に向かって組み立てられています。さらに先生や友人との対話、グループでの学習や豊富な発表の機会などもそれを後押しします。そうした学校生活のすべてが、光・土・水・肥やしとなって生徒の心を育んでいるのです。これもまた長い歴史と伝統を持った本校にしかできないことと言えるでしょう。中学校・高等学校では、①自ら学びに向かう姿勢を育てる(基礎学力の充実と学習習慣の確立)、②多様性を尊重し平和を守る心を中心軸に据える(Peacemakerとなる素養の獲得)、③一人ひとりが納得する進路を得て卒業する(自己実現への惜しみない努力)、の3つを具体的な教育方針に掲げ、実践していきます。現代は不安定・不確実・複雑で曖昧なVUCAの時代だと言われています。子どもたちはこのような世界の中で“生きる力”を備えなければなりません。啓明学園の教育はそうした現代においてなお、いやそうした時代だからこそ、最も新しく、輝いています。啓明学園を卒業した生徒たちが獲得した生きる力は、間違いなく、今この世界で求められるものなのです。学校法人啓明学園 理事長夏坂 真澄啓明学園中学校高等学校 校長大坪 隆明Masumi NatsusakaTakaaki OtsuboKeimei Gakuen Junior & Senior High School 18国際教育・帰国生教育のパイオニアとして、「啓明」に込められた創立者の思いを継承しています真の国際化と多文化受容の精神が息づく啓明学園世界を輝かせる「Peacemaker」を育ててまいります

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