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APTITUDE-BASEDINSTRUCTION01知の構築EXECUTING 星野高等学校を卒業。在学中は、生徒会副会長を勤める。武蔵野大学現代社会学部現代社会科を経て東海旅客鉄道株式会社へ。同社では、新幹線鉄道事業本部に勤務。車掌や営業係、運転士を経て、現在は中核社員として活躍。星野は、先生方が見守りながらチャレンジさせてくれる学校だと思います。星野はルールが細かいところもありますが、そのおかげで、他者を尊重する気持ちや、公共心などが、いち早く身につくと思います。たとえば、今の仕事では、厳しい規定がたくさんありますが、それは、ダイヤ通りに電車を運行し、お客様の安全を守るために必要なことです。「ルールは大切なものを守るためにある」という実感を高校時代に得られたことは、僕にとって大きな財産です。また、星野は進路に直接かかわるイベントも多く、芸術鑑賞や修学旅行など、感性を見つめ直す行事も多いです。それはつまり、自分自身の可能性を見つけ出すチャンスが多いということです。高校では生徒会副会長を務め、本当にいい経験ができたと思っています。男子の結束力が強く、仲間はいつも支えてくれていました。そういう応援のおかげで、僕は生徒会で活躍できたのだと思います。人の役に立てるということは、本当に楽しく、嬉しいことです。今の仕事でも、お客様に「ありがとう」と言ってもらえると、「旅の安全をサポートできてよかった」と心から嬉しくなります。小さい子供などからは、ヒーローを見るようなまなざしで見つめられることもあり、照れくさく思いながらも、格別な気持ちになります。海外からの観光客も多くなってきましたので、多様なケースに対応できるようにしていきたいと思っています。星野高等学校卒業後、立教大学文学部教育学科に入学。同大学修士課程を修了後、キャンベラ大学博士課程に進学し、博士号(政治学)を取得。現在、開智国際大学専任講師・関西大学嘱託研究員・キャンベラ大学アソシエイト・フェロー)。共著に『こころのナゾとき』『多文化・他民族共生時代の世界の生涯学習』『Assessing Deliberation』(近刊)など。映画『ぼくたちの哲学教室』字幕監修。現在、私は政治教育や若者の政治参加の研究をしています。研究者にとって必要な能力は色々ありますが、中でも「知らなかったことを、ちゃんと驚く」ことはとても大切です。新しいものを目の前にしたとき、それについて知っているふりをしたり、興味関心を持たないのではなく、きちんと驚いて、もっと知るために調べ物をしたり、人と意見交換をすることは、新たな知識を生み出していく研究者にとって不可欠の力です。星野での生活は、様々なことに「驚く」ための基礎を作ってくれたように思います。訪れたことのない国々での修学旅行や、感性を養ってくれる芸術鑑賞などは、まさに驚きやワクワク感を与えてくれました。また、星野に入学した当初、理系の科目が好きだったけれども、星野で授業を受けるにつれて実は歴史や国語にも関心があるということに気づくことができました。これも大きな驚きの1つでした。研究者というと勉強ばかりしているイメージがありますが、実際は研究活動の中心となるのは人との交流です。私は学校を研究の対象としていますが、教師、生徒、保護者、研究仲間などとよい人間関係を作り上げなければ、リサーチをすることすらできません。今思うと、星野の学校生活でたくさんの人間関係を作った経験がこのことにとても活かされているように思います。たとえば、星野では部活に必ず入らなければなりませんが、こうした環境は先輩や後輩、女子部の生徒たちと交流する機会を与えてくれました。また、星野は男子のチームワークがよく、何か困ったことがあるとすぐに助けてくれるような人間関係を作ることもできました。23東海旅客鉄道株式会社Yさん政治学博士Nさん可能性を見つけ出す機会の宝庫星野では、研究者に必要なチームワークを大切にする心が育った

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